傷を受けたことのない人間が傷を受けた人間の苦しみを異常だと思うのは永遠に変わりません。
・・・だからこそ、わたしは「君が取材している人間はみんな頭がおかしいんじゃないか」と言われるのです。
ひどい場合には、わたしまで精神的に健全ではない女じゃないかと思われます。
わたしが弁明しようのない状態から、今のように弁明する価値もないと思う状態になるまでには、やはり同じような過程を経たのです。
・・・そうしたすべてを彼に話すことはできません。
わたしの目は涙であふれ、言いたいことが胸にこみあげてきました。
取材の過程でそんな風になるのは普通は取材相手の女性です。
わたし自身がそうなったというのははじめてのことです。
わたしたちは長いこと、顔を見合わせていたが、やがてわたしは今やっているような取材をできる限りつづけたい、必要とする人がいる限りつづけたいと彼に話しました。
そんな彼も国際結婚 相談所に通いはじめてから新たな恋に出会い、今ではとても幸せそうに暮らしています。